距離

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「…氏家と相原が関係を持ったのは  本当のことかもしれねぇけど…  おれは氏家が…他にもまだ  隠してることがあると思う…」 「なんでだよ?」 おれの質問に翔吾は酎ハイを 見つめながら答えた。 「あいつ…酔ってるときに  性的な話になると  必ず相原の名前出すんだよ」 …由梨の…名前? 「例えば…どんな風に?」 おれは酎ハイを飲むどころじゃなくなってた。 …氏家と由梨の間になにかある…。 それは…由梨の過去に繋がるかもしれねぇ。 「…相原とヤったのが1番よかったとか…  あいつはヤらせ屋だ…とか…」 「…ヤらせ屋?」 …由梨が…? …今日、由梨はおれに 性的な質問をしてきた…。 氏家が言ったことが本当だとすると…。 納得できる…。  おれがそう思っていると、翔吾は ため息交じりに言った。 「…でもさ、不登校の女が  コレだけの理由で  学校を長期休学するか?  …もし本当にヤらせ屋だったら…  獲物見つけるために  学校に来るのが普通だろ?」 「…そうだな」 …っつーことは… 氏家が言ってることは…嘘? …あぁ~!! ますます意味分からねぇ!!! 「翔吾、なにが言いてぇんだよ!」 おれは片手で頭を掻き毟った。 翔吾は酎ハイから再びおれに 視線を変え、言った。 「だから…もしかしたら…  氏家にレイプされたとか…  ありえねぇかな?」
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