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「夕暮れ紅葉」
ゆっくりと時を刻む
壁に掛かる鳩時計を
眺める僕の全てを
留めた紅い季節
秋の空、懐かしいあの匂いを運ぶ頃
夢の中でもいいよ、君を見つけられたら
また冷たい風が足元すり抜ける、染まっていく頬ただ消せない文字を指でなぞる季節、まだ終わらない
舞い落ちる木枯らしに吹かれ…夕暮れ紅葉
ポケットに入り込む
かじかんだ指の先を
優しく包んだ、キラキラに光る空
高い月に照らされて
微かに感じていた
幼い秋の空
いつか街中を鮮やかに着せ替える色とりどりの舗道
ただ消せない文字を指でなぞる季節、まだ終わらない
乾いた風追いかけ街の隙間流れていく音
あの君が好きだった歌を思い出す、まだ終わらない
舞い落ちる木枯らしに吹かれ…夕暮れの道
夕暮れ紅葉
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