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「次なんの授業だっけ?」
「数学じゃなかった?」
玉子焼きを口に運びながら,
私は教室の後ろにはってある
時間割表を確認した。
「うっわ-,私つぎあたるんだけど…」
フォークでハンバーグを
突き刺したままの状態で,
鈴果がすごく嫌そうな顔をして
眉根をよせる。
彼女は数学が苦手だ。
それに反して,
「あの問題だったら私わかるよ?」
理系科目全般が得意な鈴音が
さらっと言いながら,
満面の笑顔で鈴果を見た。
「…ハンバーグ?」
「ハンバーグ♪」
3秒の沈黙の後
商談は成立したらしい。
鈴果は名残惜しそうな顔をしながら
さっきフォークで
つきさしていたハンバーグを,
そのままの状態で鈴音に渡す。
私にはわからない
2人の間での会話を,
いつもみたいに
感心しながら見てた。
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