出生

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1973年、世はまさにオイルショックの時。この年の12月、札幌のとある産婦人科でオイラは産声をあげた。父は町工場で働き、母もまた町工場で働くという「共働き」。家では祖父と祖母がオイラと2つ上の兄の面倒を見てくれていた。どういうワケか、物ごころがつくまでの母との思い出があまりないのだ。それも仕方ないと言えば仕方ないのだが…。ウチには犬が一匹いた。名前は「コロ」。後年母から聞いた話だか、コロがウチに来る前まで、ウチにはセントバーナードの「ジョン」という犬がいた。しかし、ジョンはある日車にはねられて亡くなった。まさにそれに合わさったかのようにコロが生まれたという。
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