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「馬鹿げています!」
「そう声をあらげるな。」
「だってそうでしょう?コロニーを地球に落とすなんて。どんな被害になるかわかってるんですか。上層部は!」
「発案者は、デギン公皇となっている。」
「…ギレン閣下が…。」
「我々は降下するコロニーを護衛すればいい。護衛任務だ。」
「…了解」
ザクに乗り込みハッチを閉じる。
「…私も馬鹿げているとは思うよ。願わくば汚名を被るのは私だけであらんことを。」
「スバル少佐、出撃願います。」
「了解。」
「進路クリアー、システムオールグリーン、射出準備完了。コントロールをそちらに移します。」
「移行確認。ザク出る!」
外は静かだった。
目前をコロニーが過ぎる。
あまりにも雄大で、声も出ない。
「ダストが多すぎて策敵が正確に行えません。」
「全機、策敵を厳にせよ。レーダーに頼るな。眼で捕まえろ。」
「どう来ますかね。」
「来ない方がうれしいですがね。」
「連邦さん、あまりの雄大さに見入ってるのか?」
「見えた。三隻方位60.00距離不明目視です。」
「あーもう、いったそばから。」
「撃って来たぞ。…あんな距離から。」
「好都合だ。各機、戦闘体勢に入れ。射線を遮るなよ。」
「了解」
「最大望遠で目視射撃か。何、本来射撃とはそんなものだ。」
光学、デジタル望遠合わせて256倍
それでも敵鑑は不鮮明この上ない。
「そこだ!」
この距離になるとすでに当たるまでのラグが数秒を越える。
「次弾装填、充填開始。」
「隊長、敵鑑が火を吹きました。命中した模様。」
「我が一陣がレーダー範囲に侵入、光学画像来ます。」
「敵機関停止、残り2」
「敵機照準。撃つ。」
連続で放出されるその弾はまるで光の矢のように見える。
九発の弾からなる三本の光の矢は、的確に機関部を貫いた。
「残り一隻は別働隊が破壊。我が軍の勝利です。」
「気を抜くな。敵はまだ来る。」
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