とある事故

事 故

俺は右足の踵を強く打ち付けた程度で動く事が出来た。

その場にいた通行人の人は俺に駆け寄り、

「大丈夫ですか？大丈夫ですか？」

と、しきりに話かける。

「大丈夫です。」

そう言って、起き上がり、俺はバイクに駆け寄り、その姿を見た。

見事にタクシーのフロントに当たり寝転んだ姿がそこにあった。

俺が出来た最大限の回避運動のおかけで、タクシーはフロントバンパーの凹みと、カバーの欠損だけだ。

俺はバイクを起こし、歩道まで押して行き、車の通行の邪魔にならないようにしたとこで、目眩に襲われた。

事故直後によくある軽い貧血だ。

俺はヘルメットを脱ぎ、建物に身体を預け、座りこんだ。