同心っぽくない同心

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彼が唯一落ち着ける場所は、物心ついてすぐに興味を持った刀、今の愛刀である。 いつからそこにあったのかは全くわからない。 長身で、大人の背丈くらいはあるような刀だが、愁は簡単に持つことができた。 隣町の塾から帰ってきてから寝るまでの間、彼は片時も刀の側を離れない。 その姿が親戚には異様に見え、愁をさらに遠ざけていた。
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