同心っぽくない同心

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青年はキセルの紫煙を吐いて、独り言を呟いた。 「…あれから10年か。」 群青色の着流しを崩し、腰紐には一振りの刀、明らかに流浪人にしか見られないその男は長月愁(ながつきしゅう)、年齢は20前半といったところ。 「退屈だな。 どいつもこいつも平和ボケした面しやがって。」 愁は何か事件でも起きないかとスリルを求めて歩いていた。
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