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「…すまん。」
「いえ、間に合ってよかった。」
桐斗と揚羽は本来なら数分で着ける下町方面に30分かけてようやくたどり着いた。
こうなったのも桐斗の方向音痴が招いたわけだが。
桐斗はこの場に愁と恭弥がいなかったことを幸いに思った。
特に愁…ヤツに見下されるのだけは勘弁だった。
「揚羽、このことは内密に…。」
「えっ?」
「頼む。」
自分の目上に頭を下げさせるわけにはいかないと思った揚羽はこれ以上何も言わず、一瞬頷いて肯定した。
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