同心っぽくない同心

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着流しをかなり崩し、下品に見られても仕方ないような男数人がいた。 どこかのチンピラみたいだ。 男たちに囲まれている少女がいる。 10代くらいの若い娘だ。 「もっぺん言うてみいや!」 「あ、あなたたちに払うお金は家にはありません!」 少女は強気に叫んでいるが体が恐怖で震えている。 「んだとぉ!?」 「まあまあ落ち着けや。」 血の気が盛んな男を仲間の一人がなだめる。 「どうしても払わないんやな、美緒ちゃん?」 美緒という少女はこくっと頷いた。 「しゃーないな、こんな可愛い娘をいたぶるわけにもいかないしなあ…」 男たちはどうみても引き下がるつもりはなさそうだ。 「こうなりゃ、払うまで可愛がってやるしかないなあ。」 男たちの顔が邪悪な笑顔に変わっていく。 美緒は恐怖で顔をこわばらせていく。 「おとなしくしな!」 男たちは美緒の着物や髪を無理矢理掴んだ。
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