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「嫌!
離してください!!」
美緒が叫ぶ。
しかし周りの町民は自分に火の粉が降りかかるのを恐れ、見て見ぬふりを徹底した。
男たちが立ち去ろうとしたとき、目の前に男が立ちふさがっていた。
男―愁は真顔でチンピラたちを見ていた。
「誰だてめえ?」
「そこどけよ!」
愁は明らかにケンカを売っている男たちに冷ややかな視線を送った。
「聞こえてねえのか!?」
「殺っちまうか?」
男たちが臨戦態勢に移ったとき、愁は片手を前に出して挑発した。
「来いよ。
面倒だから全員かかってきやがれ。」
「てめえ、死にてえらしいな!」
「ぶっ殺してやる!!」
男たちは愁を取り囲んで殴りかかってきた。
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