陳列棚で泣き明かした夜

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僕は、二つで一つという特性がある。   そのせいで、僕が袋に詰められる時、身体には小さな金具が装着される。   それは「ピンセット」のようにも見えるけど、あれじゃ毛抜きにはならないんだよ。     その「ピンセット」が僕の身体に食い込む。   小さいくせに、あれが結構痛いんだ。     過去に、その「ピンセット」を強引に外された仲間がいた。   その時に身体の一部が大きく傷つき、彼はそのまま消えてしまった。   一度もクツシタの職務を全うすることは無かった。     君がもしクツシタを買うことがあったなら、真っ先に「ピンセット」のようなものを外して欲しい。   そして、細心の注意をはらって外して欲しい。
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