一章

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紅葉に赤く色が付き始め、秋の到来を思わせる少し冷たい風が吹いた。 友里可は全国でも珍しい、美術専門高校の一年生である。 教室の窓から顔を出し、秋の訪れに目を輝かせている友里可の元に、担任の代田が歩いてきた。 「小橋、実習に興味はないか」 代田はそう言って、友里可に笑いかける。 実習というのは、画家などの仕事場で絵の勉強をするといったものだ。 友里可は無論、絵が好きで此処にいるのだから、断る理由などはない。 友里可は二つ返事で実習に参加する事となった。
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