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月の回りにはまた雲が集まって来た。
月が隠れてしまえばまた魔物が襲ってくる。
アリスは本当に見えるだけで戦う術は持たない。
ただただ無力なのだ。
くっと歯を噛み締めると月を見上げ祈った。
「月の女神よ…どうか…私に力を…」
ただ一心に祈り続けた。
ぐるぐると低いうなりを上げながら月灯の周りを回っている。
足が地に縫い付けられて動けない。このままでは月灯の結界が崩れた瞬間動くことも出来ず襲われるだろう。
「女神様…」
それでもアリスには祈ることしか出来なかった。
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