troubleⅣ

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「ただいま~」 明るくさわやかな声が聞こえた。 「ただいま」 続いて冷静で堅い声が聞こえた。 「おかえり、夏南(かなん)、相良(さがら)さん。朝ご飯は食べた?食べてないんなら私が腕を振るうわよ?」 やる気満々といった感じだ。母さんの闘志が目に見える。 「まだ食べてないの。お母さん作って♪」 「任せなさい」 相変わらず姉さんはテンションが高い。 相良さんも前と変わらない。 「涼、お土産だよっ♪」 姉さんはリビングで僕に大きめの袋を手渡した。 「ありがとう」 「あ~やっぱり可愛いね~涼」 ぎゅ~ 「姉さん、そんな抱きしめないでよ、恥ずかしい」 「はっはっはっ、どこにいても性格は変わらんな」 相良さんはにこやかにこちらを見守っている。 「見てないで助けて下さい、相良さん。苦しくなってきましたから」 「しょうがない、助けますか」 相良さんは僕を抱きしめている姉さんの頬にキスをした。するとどうだろう。 「ほわあ~」 姉さんはその場にへたり込んでしまったではないか。 まるで魔法のようだが、これは魔法ではなく愛の力とかいうやつらしい。後で相良さんに聞いた話である。
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