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「相変わらず姉さんもベタぼれだね。相良さんはなんか昔より姉さんへの対応が熟練してきたんじゃないですか?」
「まあな、というか涼くんもお姉さんが戦争に行ってきたというのに冷静だね?」
「それはまあ、あんな光景目の当たりにしてしまったんだからしょうがないんじゃないんですか?」
僕の質問に相良さんは大声で笑いながら応えた。
「包丁刺されたのに自分で抜いて逆に相手に刺したやつか?それとも電車で痴漢をこの世のものとは思えない力で撃沈させたことか?」
「全部ですよ。だって姉さん死なないじゃないですか。理由は分からないけど」
「まあ夏南は魔界のあの水を飲んだからな。もちろん、あそこまで着くには俺でもきついんだがな」
相良さんの笑いはいつの間にか苦笑いになっていた。
だがそんな相良さんに姉さんは言った。
「愛の力よ」
そう、姉さんは相良さんにベタぼれなのだ。
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