第一章

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ある日、その男は仕事をするために大豪邸の庭先にいた。 その男の名前は、『乃村良太郎(のむらりょうたろう)』。 良太郎の仕事とは、何でも屋。 つまり、よろず屋である。 この平成の世の中で、そんな仕事をしていても生きて行けないだろう。 しかし、良太郎は人一倍不器用で、今までの仕事もまぁ、もって三週間くらいだろう。 そんな良太郎にある日仕事を依頼しにやってきた、この大豪邸の持ち主の『小早川幸助(こばやかわこうすけ)』 大企業の社長である。 何故、そんな社長さんが良太郎に仕事を依頼してきたのかと言うと、 娘が笑わないそうだ。 笑わない…………良太郎はその話を聞いていて驚いた。 最初から笑わなかった訳では無いらしく、ある日を境にパッタリとわらわなくなったのだそうだ。
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