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良太郎には信じられなかった。
なぜなら良太郎は何があっても笑って過ごしてきたからだ。
虐められても、転んでも、泣かずに、笑ってきた彼には分からなかった。
だからこの仕事を承諾した。
どうしても笑って欲しかったから。
そして今、良太郎の目の前には幸助さんの娘がいる。
名前は、『小早川美鈴(こばやかわみすず)』。
普通に話しはするのに笑わない。
笑う処か、表情を変える事すらない。
困り果てた良太郎は、トイレに駆け込み、電話した。
発信先は良太郎の幼馴染み。
『岡本流(おかもとながれ)』。
彼女は良太郎の一番の理解者であり、唯一の家族である。
良太郎は幼い頃に両親を亡くした。交通事故によって。
良太郎の両親は良太郎を守って亡くなったのだ。
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