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「大下先輩!…よかったぁ…。もう死んじゃうのかと思いましたよぉ…」
「情けないツラしてんじゃないよ…。このトロい動物…」
大下の側に近寄り顔を見ると意識が回復したばかりのせいかあまり力のない声にも関わらず何時ものやり取りに透の顔も涙目になっていく。
「…ユージ」
「………?」
その横から鷹山が心痛な表情で大下の顔を伺うが大下の反応が何時ものと違う。
「…ユージ?」
「あんた…誰だ?なんで俺の名前知ってんの?」
大下の言葉にその場は一瞬凍り付く。
「ちょっ、先輩。何言ってんですか。冗談キツいですよ~」
「そ、そうよ~。もう、何言ってんの!ねぇ?」
薫と透が顔を見合わせ渇いた笑い声を上げるが表情は張り詰めていた。
それは鷹山も同じだったが二人とは違い言葉がでなかった。
「いや…本当に知らないし…つか…なんで俺こんなんなってんだ…?」
追い撃ちとも思える発言にとうとう二人の笑い声も止まる。
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