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薫の連絡から大下の相棒 港署捜査課刑事 鷹山敏樹と大下の後輩で同じく捜査課刑事 町田透は警察病院にすぐ向かっていた。
「大下先輩の意識が戻ったって本当ですかね…。本当ならいいんですけど…」
「薫の口調からすると…戻ったんだろ…」
電話口での薫の騒ぎ方を思い出しながら鷹山は煙草を吹かした。
何時ものように冷静に見える姿もトレードマークのサングラスの奥の瞳を隠し、その深意を知ることができない。
病院に到着するとすぐに大下の病室へ急いだ。
「タカさん!町田くん!」
病室のドアを開けると薫が涙目で鷹山へ駆け寄った。
「意識戻ったんだな」
鷹山の問いに必死に首を縦に振り身振り手ぶりで説明する。
どうやら感動のあまり言葉がでないらしい。
薫のジェスチャーは理解不能だったが指差す方向には医者に話し掛けられている大下の姿が見え、鷹山はそこでようやくサングラスを外した。
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