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ラブちゃんが病気になってから娘は笑わなくなった。
あんなによく笑ってたのに。
ラブちゃんや娘の顔を見る度に『ごめんね』心の底から謝罪の気持ちと後悔で一杯だった。
日に日に体力が無くなり、動かなくなったラブちゃん。
一か月がすぎて病院に診察に行った時に先生に
『私がもっと早く連れて来てあげてたら助かりましたか?』と苦しさのあまりに話した。
先生は『肝機能の病気は症状が出た時には手遅れなケースが多いです。この子の場合無理でした。』それを聞きホッとする自分がいた。
こんな時になんて自己中なんだ私…
そんな気持ちを娘に見透かされないかと思い何も話せない私。病院の帰り娘と私は会話は無かった。
その日は夜から雨 。
ふと犬小屋を見たらラブちゃんがいない。
庭を見たらラブちゃんがスブヌレになって横たわっていた 。
もしかして…
私は裸足で庭に飛び出して
『ラブちゃん!ラブちゃん』と泣きわめきながら叫んだ。
ラブは鼻を鳴して甘えた声を出した。
生きていた…
『ラブちゃん何処にも行かないで お願いやからそばにいて 』
私は泣きながらラブにしがみついた。
ふと後ろを振り向くと娘がスブヌレになって泣きながら立ちすくんでいた。
それから娘と2人で、ラブちゃんを犬小屋に戻した。
何回戻しても庭に出てしまうので家族総出で庭中にブルーシートをはり、これ以上ラブの体力が低下しない事を願った。
その次の日からラブちゃんに少しでも快適に過ごしてもらえるように皆で考え、庭に日陰を作ったり排泄が出来ないから清潔にすごせるように庭を潰してコンクリートにしたり。
散歩に行けないから友達から乳母車を貰って来てラブちゃんを散歩に連れて行ったり色々な事を考え実行した。
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