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今から思えば、本当は動かしたらいけなかったのかもしれない。けれど何もせずにはいられなかった…
そして、また一か月がすぎた。
そして七月二十日の海の日。
いつものように仕事に出かけた私。
祭日なので残業をせずに家に帰ったら…
玄関にラブちゃんがいた。
玄関にいたラブちゃんはタオルケットに包まれて…
信じられなかった OQ
その場に立ちすくみ涙が止めどなく溢れた。
夫と息子たちがラブちゃんのそばにいたのに
娘がいない OQ
『さや』『さや』
私は娘が心配になり夫に聞いたら夫は泣きながら『そっとしてやれ』と…
さやはその日、散歩に行けないラブちゃんに、どうしてもいつもの散歩コースの見慣れた景色を見せてあげたくて自転車の籠に乗せて散歩したらしい。
ラブちゃんに色んな話をしながら。
家に着く寸前に弱ってから、ほとんど声を出さなくなったラブちゃんが『クイ~ン』
いつも娘に甘える声を出したので自転車をとめて頭をなでようとしたら…ラブちゃんは動かなくなってた。
『ラブ ラブ …』
泣きながら必死で自転車をこぎ家に着いたらラブちゃんはもう…
身体を擦っても声をかけても …
娘はたった1人でラブちゃんを見送ったのだった。
『ごめん私が散歩に連れて行ったから』
そう言って泣きながら何回も謝っていたそうです。
夫に言われたもの やっぱり 娘が気になり
玄関の扉を開けたら娘が泣き疲れてしゃがみ込んでいた。
『お母さんラブが…』
言葉にならない。
それから2人でラブちゃんを家の中に運んだ。
そして一晩中泣いた。
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