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別れの朝
次の日、娘はどうしてもラブちゃんを見送りたいと言ったが、これ以上娘に苦しい思いをさせたくなかったので夫と2人で火葬場に行く事にした。子供達は学校に行く前にラブちゃんを撫でてお別れをした。
娘はかなり精神的にも肉体的にもクタクタで、心配だったので『学校を休んでもいいよ』と言ったが
『お母さんラブちゃんを送ったら会社に行ってまうんやろ。私は一人で耐えれないから学校に行く』と言いいつもの時間に家をでた。
そして、夫と予約していた火葬場に向かった。
そして最後の別れ。
火葬場で手続きをし、ラブちゃんを台の上に…
火葬場の方が
『最後の別れをして下さい。顔をみた後に口にお水を運んであげて下さいね』と…
涙でラブちゃんの顔が見えなかった。
『ラブちゃんごめん。こんな早くに死なせてしまって』
『母さん何にもしてやれんくてゴメンネ。いつも子供達を見守ってくれて有り難う』
声を掛け終わったら夫がラブちゃんの入ってる箱の蓋を閉めた。
『まだ閉めたらあかん』『お別れしたくない』
そう言う私を無理矢理ラブちゃんから離し車に乗せてた。そして窓越しに係の人が『火葬は十一時です』と言った
それを聞いた夫は『わかりました』と答え車を出した。『パパなんで?ラブちゃんの最後の最後までそばにいたい』と私が言うと夫は
『ここは集団火葬らしいんや。だから見れないし骨もみんな纏めて埋葬される。俺もさっき聞いたばっかりなんや。今さら別のとこに行くとは言えんくて…ごめんな』
と言った。
私はただただ泣くだけで何も言えなかった。それがラブちゃんと私たちの最後の別れになりました。
ラブちゃんを独りぼっちにしてしまい辛くて悲しい別れでした。
あれから三年経ったけど…
娘も私もラブちゃんを思うと涙が止まりません。犬でも人間でも大切な家族を亡くすって本当に辛くて悲しい事ですね。
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