転校生

2/26
56人が本棚に入れています
本棚に追加
/41ページ
「さっすが魔都なんて呼ばれるだけはあるよなぁ、耀魔」 たった今銃を撃ち放って異形の者を倒した少年。 まだ中学生だろう。 同じく一体の異形を握り締めた長い刀で切り捨てた、耀魔(ヨウマ)と呼ばれた少年。 纏う気配は大人びてはいたが、幼さが抜け切らないその容姿はやはり中学生である。 黒いコートに身を包み、闇色の長い髪をこれまた長い銀色のリボンで結い上げていた。 「御託はいい。早く終わらせるぞ、哉(サイ)」 耀魔の切り上げに応じた哉が、鮮やかな射撃で最後の異形を倒す。 「三日で十匹……古来より魔物(モノノケ)が蔓延る日本でも、異常だな」 「先が思いやられるぜ、まったく」 その場から立ち去った二人の背後で、異形―――魔物が塵と化して消滅した。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!