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「さっすが魔都なんて呼ばれるだけはあるよなぁ、耀魔」
たった今銃を撃ち放って異形の者を倒した少年。
まだ中学生だろう。
同じく一体の異形を握り締めた長い刀で切り捨てた、耀魔(ヨウマ)と呼ばれた少年。
纏う気配は大人びてはいたが、幼さが抜け切らないその容姿はやはり中学生である。
黒いコートに身を包み、闇色の長い髪をこれまた長い銀色のリボンで結い上げていた。
「御託はいい。早く終わらせるぞ、哉(サイ)」
耀魔の切り上げに応じた哉が、鮮やかな射撃で最後の異形を倒す。
「三日で十匹……古来より魔物(モノノケ)が蔓延る日本でも、異常だな」
「先が思いやられるぜ、まったく」
その場から立ち去った二人の背後で、異形―――魔物が塵と化して消滅した。
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