572人が本棚に入れています
本棚に追加
「私がこんな醜い男の妃になるのは我慢ならないっ!」
そう、言った。
婚礼の場で、婚約者に向かって、張り裂けんばかりの大声で、王女は叫んだ。
王女の婚約者の隣国の王子は、唖然として、口を開けていた。
傍にいた、面を被った召し使いも、王女の父親も、その他もろもろの人間も。
皆一様に口を開け、我が耳を疑っていた。
「もう一度言う!私は貴様みたいな人間とは婚約などしないっ!」
王女は丁寧に二回も繰り返した。
王女は無知過ぎるのかもしれない。
婚礼とは政治のために有るものだと、王女は気付けなかったのかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!