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大通りを北に向かって歩く。やがて現れた人影。アイツか!
息を整える。警戒は決して解かなずにマップは確認。
敵はただ1人。やがてその姿もはっきりと見えてきた。
スーツに通勤カバンをもっている、多分リーマンだろな、だがすぐに敵だと確信できた。その男は長い槍を肩に担いでいる。
マップにて目の前の男の反応にアクセス、モバ名を確認。
アキラ、31歳、
なるほど、こうやって相手の事を調べるんだな。
交差点の信号を挟んで話しかけた。
『あんた、アキラさんだな。』
『そういう君はキョウ君だね?』
そう、俺はキョウと入力してる。実際の名前から音読みに変えただけだがな、ひびき→響→キョウって。
頼むから退いてくれよ?
『聞いて欲しい、俺達に戦う意思は無い。今はログアウトできる方法を探してる。』
『なるほど?それで?』
感じわりーなコイツ。
『協力してくれとは言わない。ただこの場は見逃してくれないか?』
『ふ~ん。でも無理な相談だ。』
『・・・理由は?』
『簡単だよ。ログアウトなんて不可能だからさ!このゲームに参加した以上生きるか死ぬか、ただそれだけ。』
わっけわかんね!なんでそーなるってんだ!
『付き合いで登録したんだが昨日の夜、僕以外4人全員死んだ、どうすればいい?簡単な事さ、僕はもう1人だけだ、殺されるのは時間の問題だろ?だったらせめてこの世界にいる人間、1人でも多く道連れにしてやる。』
ダメだ、コイツもう狂っちまってる・・・。
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