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どこか初々しい制服に腕を通す少年   季節は春 始まりの風が僕の背中を押した   今日から僕の中学校生活が始まる   それは僕の未来への第一歩   その時は考えもしなかったんだ 僕の初恋なんて…       小学校と変わらない始業のチャイムが鳴る   まだなれぬ広い校舎を足音が走る   ガラガラっ 教室のドアをあけホッと胸を撫で下ろす   「よかった 間に合った」   顔をあげると身体に緊張がはしる   当たり前だが、そこにある光景はまさに未知   知らない顔が一瞬僕のほうに集まる   が、すぐに皆友達との会話にもどる   この中学校には僕と同じ小学校からきた人はすくない   僕は周りには見向きもせず、自分の席に着いた   そこで初めて周りを見渡した   特に興味をひくものはない それよりも、この人たちと仲良くなれるのだろうか…そんな不安が頭をよぎる
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