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劇も終わり、気がつけば白い刹那の冬   活動の少ない演劇部は冬休みに活動はない   そんな中僕が待ち詫びていたのは正月   新しく増えた友達と年賀状を書く約束をしていた   その約束がうれしかった僕は、まるで幼い頃のようにはしゃいでいた   「こんなんじゃ足りないよ」   年賀状を書くために母親に去年より多くハガキをうけとった   張り切り過ぎか、書いた年賀状は少しあまった   忙しいのは元旦だった   まだ来ない年賀状を何度も何度も郵便受けに見に行った 今考えれば恥ずかしく思うほどに   そして年賀状が届くとこたつの中にもぐり 何度も繰り返し読んだ   もうすぐ冬が明ける   三月には三年生が卒業し演劇部は五人になり、よりこじんまりとしていた
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