始まりの夜…

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「楓姉さんでは無く😣私達二人から撰んで下さい❗」と舞衣が真剣な目付きで、正樹の瞳を見る。 「そうだよ~❗楓ネェの、ホルスタイン〓のような胸は論外❗」と、愛衣が頬っぺたを『プ~ッ😣❗』って膨らませて、 「だってさっ❗日頃鍛えて絞まった身体に、あの胸だよ~❗絶対にずるい😣❗」と抗議する愛衣、 森壟家の子供達は、幼い頃から古武術を教える道場に通っているのだった。 「確かに😓楓姉さんのお胸は、ホルスタイン〓顔負けですものね…😣」と、舞衣はため息をついた。 「正樹を連行して来たよ~😃❗」と、居間の前で愛衣が楓に声をかけると、 「何がホルスタイン〓なの[?]😔」と、楓のおっとりとした返事が帰って来る、しかし視線は怖かった。 楓に対して、楓の大きな胸の話しは禁句なのである、楓は自分の胸にコンプレックスを持っていた。 中学生の頃から楓は胸が大きく、しかも美少女だった為に、痴漢の標的になったり、クラスの女子達の嫉妬の対象だった。 しかし、楓のコンプレックスも、楓が高校一年生の夏休み前に、激変した!。 それまでは、痴漢に逢うと身体が硬直してしまい、動けなくなって泣いていた楓だったが、 悠然と痴漢の手首を掴み、間接技を決めて、警察に突き出すのだった。 以前は道場で稽古している時でも、絶対に男性とは稽古が出来なかった楓だが、自分から進んで男性と激しい稽古をした。 正樹達が通っている道場は、戦国時代より前から続く、古武術を教えていた。 早い話し、空手と柔道と合気道と剣道を同時に習っているような感じだった。 最初こそ…、 組み手や、寝技に持ち込めば、『楓の巨乳を楽しめる❗』と、楓との稽古を密に喜んだ男達だったが、楓の鬼々迫る稽古の前には、 まともに楓と稽古出来る男性は、いなくなってしまい、それに伴いコンプレックスは克服した。 しかし、後遺症は残った… 普段、楓はおっとりとしていて、温厚で誰に対しても優しいのだが、楓の胸に淫らな視線を送る男性や、嫉妬の視線を送る同性に対して、良く切れる日本刀を喉元に突き立てる様な、武術の達人の視線を返すのだった。 楓が本気になれば、視線で他人を金縛りに出来るほどだった。 そんな楓の視線の前に、言葉を濁し、逃げ腰になる愛衣と舞衣に、正樹は助け舟を出した。
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