プロローグ

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「何、見てんだ?コラァ…」 放課後の通学路、いつもと変わらない、何気ない日常に響きわたる怒声が、ボクの背後から迫りくる。 「テメェだよ!テメェ!」 さらに近づいてきて、ボクは恐怖に身体がひきつった。 感じる視線に怯えながらも振り向かなきゃ…と思いつつ、声のする方へと頭を向ける。 その時、ボクは「ホッ」と胸を撫で下ろした。 どうやら、絡まれたのは同じ学年の同級生で、近所の俊哉君(トシヤ)だった。ボクのほんの5m程後ろを歩いていたらしい。 俊哉君はその中学生だろうか、学生服に身を包んだ上級生によって、首根っこを掴まれ、恐怖からか「うぅっ…」と何かを言いたげだが、言葉にはならないようだった。 そして、俊哉君が横目でボクの顔を見た…
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