プロローグ

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ダダダダダッ! パァンッ!パァンッ! …周囲に立ち込める火薬の匂いと 血生臭い匂い そして人が焼け焦げた独特の臭気 更に定期的に聞こえる乾いた銃声と爆音と共に人の断末魔が響き、 それはまるで一定のリズムを奏でる音楽の様だった。 『くふふふ…』 その全てが脳細胞を刺激し、聞こえて来る残虐な音楽を心地良く感じながらとある施設内の廊下を男は歩いている。 その廊下には至る所に血が付着し、死体が転がっているが、男は軽い足取りでその廊下を歩き続けた。 彼は血が滲んだ様に紅いベレー帽を被っていて、 そしてその男は銃声や悲鳴に合わせて思わず上機嫌でステップを踏みそうになりがらも、同じく赤いベレー帽を被った周りの部下達から状況報告を聞き、満足気に頷いて返している。 『…おや?彼等は何処かね』 すると、自分の"お気に入り"が見当たらない事に気付いた男は、近くにいる部下にお気に入りの居場所を聞いた。 『ハッ!大尉達なら今頃第2ブロックに集中している敵残党の排除かと思われます』 『…にしては時間が掛り過ぎな気もしますが…』 隣りにいる別の部下が時間を気にしながら言って来ると、その男は大して気にする様子もなく笑っていた。 『くふふふ、いつもの事じゃないか』 そう言うと男は胸に掛けてある小型の無線機を取り出すと、こことは別ブロックに居るお気に入りに連絡を取った。 『聞こえるかね?』 《はいは~い!何ぃ?今戦闘中なんだけど♪》 無線機から聞こえて来たのは銃声と軽い感じの口調で喋る声だった。 『また遊んでいるな』 男は小さく笑いながら聞くと、無線機から無邪気な笑声が返って来た。 《アッハハハハハハ♪ 今回はハイスコア狙っちょうよぉ♪》 『くふふふ、頑張りたまえ』 《言われなくてもねぇ…あっ!? ステラずるいよ!それ僕の獲物だったのに!?》 《残念でした~!余所見してる方が悪いんだよ~♪》 《っと言い争っている内に俺様の一人勝ちぃ!!》 ブチ… 『……切れましたね』 無線機の向こうで命のやり取りをしているとは思えない程の他愛ない言い争いが聞こえ、途中であちらから一方的に無線を切られてしまった。 その事に心なしか呆れた様子の部下二人を横目に、男は軽く笑いながら無線機をしまった。
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