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「カムイってキレイだよな」
背後から聞こえた声に振り返り眉をよせる
「…貴様か」
不機嫌さも露わに呟けば、苦笑とともにのびてくる腕
「我に触れるな」
のびてきた腕を払いのけ睨みつければ、返ってきたのは言葉にそぐわない笑顔
「ひでぇなぁ…」
その様子に気圧され思わず後退る
「っ寄るな!」
「それは無理」
精一杯の去勢は、掴まれた両腕とともに容易く封じられた
「き、さま…何のつもりだ」
「何のつもりって…、キレイなモノって壊したくならない?」
押さえられた腕の痛みを堪えながら低く問えば、狂気を思わせる笑みで返される言葉
「気でも狂ったか?」
呆れを込めた言葉を返せば、憐れみを含んだ目を向けられる
「何も知らないんだな」
「何…ぐっ、ぅ…っ」
突然走った衝撃に、ガクリと膝をつく
「くく…痛いか?痛いなら痛いって言えば?そうしたら優しくしてやらないこともないよ?」
「痛くなど…っ、我は、貴様にだけは屈しない」
楽しげに投げかけられた言葉に強く返せば相手から笑顔が消えた
「黙れよ!黙れ黙れ!お前今の状況が分かってんなこと言ってんの?なぁ、カムイ?」
「ふ…キレたか?くだらぬ事を聞くな腐れが!」
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