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久し振りで、何も知らなかった綾香は真剣に話を聞いていた、春花がちょっと思い出して涙が出そうなのを見ながら、綾香ももらい泣きしそうになっていた。
その姿に春花も気付いたので「でもね、今は毎日一緒だし、楽しいんだ」と笑顔で話した。綾香も笑顔を取り戻し、「そっか。幸せにやってんのか羨ましいな~」と言ってくれた。
「そういう綾香は、どうよ?」
「私かぁ。こないだ別れたしなぁ」と、笑顔だが、どことなく寂しそうな表情だ。でも、綾香からフったらしい。
「また?」綾香の元カレは、かっこいいんだが、女好きで浮気性らしかった。名前は和哉。うちらと同じ年だ。高校の時からの付き合いで、成人式の時に久々に逢って、綾香と和哉は付き合いだした。毎回喧嘩しては仲直りしていたが、5年経ってついに別れてしまったようだ。
「ま、次々。いい男に巡り会えるさ」
「そうだね。お互い頑張ろうね。綾香」
「春花は今のを成就させないとね」ははは…
そんな話をしているうちに、日が暮れて来た。久々だから、夕飯を一緒に食べて「暇な時、また遊ぼ」「そうだね。じゃ、またね」と言って別れた。
夜、仕事から帰ってきた龍樹と電話で、今日友達と遊んだ話をしているうちに、眠りに落ちた。
いつもなら、1人だとなかなか眠りに付けないのだが、今日は気持ち良く深い眠りに付けた。
久し振りだ。きっと、誰にも話せなかった事を話せたからだと思う。
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