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―♪♪♪♪♪―
携帯が鳴る。「もしもし?」
「俺、おはよぉ。まだ寝てたの?」龍樹だ。
春花は、飛び起きた。
「うん…昨夜帰ったの遅くてさ。」
「そっか、ごめん。」龍樹が申し訳なさそうに話す。
それを聞いて春花は、「あ、いいのいいの。もう起きなきゃね。一日が勿体無い。」
龍樹はそれを聞いて「あははは。そうだな。で、今日は何か用事ある?」
笑いながら言う。
「なぁんにもないさぁ。暇人だと笑うがいい。」
「そっか、暇か。ふーん。」何か言いたそうだな。
「何さ?龍樹?」
「いや、別にぃ。んじゃねー」
「えっ?ちょっ…待って!」春花は慌てた。
わざとだったらしい。龍樹は、嬉しそうに「なぁに?さーくらちゃーん」どうやら、からかわれている。でも、春花はこのやり取り嫌いではない。じゃーねー。と言っても切る気配がなかった。
「龍樹~、何か用事あってかけてきたんじゃなかったの?」
「いや、特に用事はないんだけどさ。暇してるかなぁ?って思ってさ。」
「私とどこかに行くか?」カラオケかな?ご飯かな?買い物かな?ワクワクしていると、突然「海行きて~!」と叫びだした。
春花は、思わず龍樹の子どもっぽい喋りに笑ってしまった。「いいよ~。どっちが車出す?」
「今、笑ったな。笑ったから春花が車出して。ってか、俺の車今修理中なんだわ。」
「了解。取り合えず、支度して行くときに、連絡するわ」
「待ってまぁす」電話をきる。
龍樹とお出かけだ。顔がにやける。
鼻歌を歌いながら、急いで支度をする。
「さて、支度できた。龍樹にメール入れとくか。」
―今から行くね😃―
そして、龍樹の住むアパートまで向かう。
…あれ?龍樹もう外に出てる…
よく見ると、もう1人?目が悪いからあまりよく見えないが…なんか、どこかで見たことあるシルエット。彼女は手を振って去っていった。
「外に出ていたんだね。今の友達?」と春花は聞いてみた。
「うん。天気良くて気持ちいいから、先に外出てみたら、丁度会ってさ。…たまに飲みに出たら、会うんだよね。」
「あ、そうなんだ。」
心臓がズキッとした。まさか…今のって…見たことある感じだったし…まさかね…
「さーくら?なした?」
「いや、何か知ってる人に似ていたからさ。でも、目ぇ悪いから顔見えてなかったし。さて、出発しよっ」と言って、龍樹も車に乗り込み、海へ向かう。
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