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…
ゼクシア「…」
………ゼクシアは今、真夜中の森の中、辺りは暗闇、静寂に包まれた山道を、一人、歩いていた。
ゼクシア「!」
ゼクシアは歩みを止めた。
ゼクシア「(さっきから感じていた…異質で、歪んだ二つの妖気…その大きさからして、覚醒者…それも、どちらも相当な実力を秘めた、男の覚醒者………)」
ゼクシアは目を閉じ、
更に意識を集中させる。
ゼクシア「(………だが、
彼等の妖気も、今はもう感じられない。………逃げたのか?)」
バサバサバサァッ!!
ゼクシア「…!」
「今晩は。…今宵はどちらへお出かけなのかしら?ゼクシアさん」
闇夜に潜む鳥類達の、樹木より飛び立つ羽音が静寂を破れば、ゼクシアの背後、木の陰より姿を現す、見覚えのあるその姿。
ゼクシア「…貴女は…」
「………あ、自己紹介がまだでしたね。……………私、組織のナンバー5、ガイアと申します。
…以後、お見知りおきを…」
…言えば、
相変わらずの笑みを浮かべニッコリ微笑む、ガイアと名乗る女戦士。
するとゼクシアは、何やら思い出したかのようにその口を開いた。
ゼクシア「(…この妖気、微かだが覚えがある。)………貴女、もしかしてあの時の?」
ガイア「まあ。………私の事、覚えていて下さったんですね」
両手を合わせた上、
顔には、更なる笑みを浮かべ、喜びをあらわにするガイア。
…が、それとは対象的に、ゼクシアの表情<カオ>には笑みなどまるで無く、それよりも、彼女の表情は、冷たくあるばかりだった。
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