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ガイア「…あら」
ガイア自らが負わせた傷によって苦しむゼクシアの姿を、まるで平然とした態度で見つめる彼女。
ガイア「残念。ハズレでしたか………私てっきり、ゼクシアさん、貴女は既に覚醒してしまっているものだとばかりに思っていました。
…ではあの時、あの場所で感じた異質なあの妖気は、一体、何だったのでしょうか…?」
彼女は特に悪びれる様子も無く………寧ろ、どこかわざとらしい態度を取りながら、そこに軽くうずくまるゼクシアを見下す。
ガイア「そんなに大袈裟に痛がらなくても…急所ギリギリの所を突かせて頂きましたから、時間はかかれど、再生は可能ですわ。ただ………それが"普通の傷であったら"の話ですけど………」
ゼクシア「!!」
その時ゼクシアは、彼女の言ったように傷口の再生に入っていた。………が、時は経つも、腹の傷は一向に塞がろうとしない。
それどころか、傷口を走る痛みが、時間が経つにつれ徐々に激しいものへと変わっていくのが、彼女にはわかった。
ゼクシア「…一体、何、を…!?」
傷口を押さえ、その場に更にうずくまるゼクシア。………そんな彼女を、まるで嘲笑うかのような笑みを浮かべ立つガイアが、その口をゆっくりと開く。
ガイア「…"毒剣の"ガイア。………私の、もう一つの通り名です。これでお分かりかしら?」
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