完全な孤立

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母は何も出来ずに、その場に立ち尽くしていた。 家の中で寝ていた私は、割れた窓から入って来る、冷たい風を感じた。 何日経っても、クロードは帰って来なかった。 楽しみを奪われた母は、ずっと窓から、クロードの家を眺めていた。 この時の母の気持ちなど、当時の私には分かるはずが無かった。 私は、そんな母を尻目に、いつもの様に、家の中をはしゃぎ回っていた。
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