第壱話

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六合「連れてきた」 屋敷から聞こえた六合の声に、晴明はゆっくりと振り向く。 六合の背後には、自分と年齢が同じくらいの少年二人と少女一人が緊張した表情で立っていた。 神隠村の住人、リュウ・セツヤ・ミナだ。 晴明は六合に視線を送ると、六合は無言で頷き、その場から姿を消した。 「…………………」 突然人間が消えたというのに、三人は全く驚かない。 ―まぁ、驚かなくて当然か。 薄く笑みを見せた晴明は、池から離れ、縁側へ歩き出した。 晴明「立ち話も面倒だ。部屋へ案内しよう」 晴明は草履を脱ぎ縁側に上がると、三人の事など構わずスタスタと部屋へと歩き出す。 三人はお互い顔を見合わすが、セツヤの頷きに意を決したのか、セツヤを先頭に晴明の後に続いた。
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