第壱話

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客間に着いた晴明は、上座を背にして座ったのを確認すると、三人は晴明と対面する形で横一列に座った。 晴明「………では、一応聞こう。お前達は何者で、何故此処へ来た?」 一息ついたところで、晴明が口を開く。 三人はお互い顔を見合わせた後、真ん中に座っているセツヤが、体一つ分前へ乗り出した。 セツヤ「私はセツヤといいます。右にいるのがミナで、左がリュウといいます。」 左右に座っていた二人が、セツヤの口から名前が発せられたとほぼ同時に軽く会釈する。 セツヤ「晴明様。貴方は既にお気付きの筈でしょう。私達が此処へ来たのは、『神隠し』の為です」 ―……………やはりな。 予想通りの内容に、晴明は無意識に目を細めた。 晴明「それで?私に何をしろと?」 セツヤ「5年前、神隠しによってさらわれた私達の幼馴染みを救うために、貴方の力を借りたい…「嫌だ」」 三人「「「は!!!?」」」 セツヤが全てを言い切る前に、晴明が遮るように拒否の言葉でバッサリと言い放った。 三人は晴明のいきなりの拒否に驚き、また呆然とした。
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