3/8
前へ
/22ページ
次へ
リュウが数を数えている間、少年ケイタは境内の裏でキョロキョロと隠れ場所を探していた。 ―床下は前に見付かっちゃったし…ドコにしよう… そんなに広くない神社は、隠れる場所も自然と限られて来る。 ケイタは隠れる事が少し苦手だ。 何故なら、暗い場所や狭い場所が嫌いだからである。 本当は、こんな薄暗い神社にいる事さえ、ケイタはあまり好きじゃなかった。 リュウ「やぁ~~~っつ!………ここのぉ~~~っつ!………」 御神木から聞こえるリュウの声。 ケイタ「ヤバッ!早く隠れなきゃ!!」 ケイタは慌てて回りを見回す。 すると、 『ここだよ………』 ケイタ「……………え?」 突然境内から聞こえた声に、ケイタはビクッ!と肩を震わせた。 『僕はココだよ…………』 ケイタ「……………」 ゆっくりと、境内へ視線を移す。 境内の扉が半分開いていた。 ケイタ「っ!?」 ―さっきまでは開いて無かった筈なのに!? ケイタは、突然の事に背筋が氷つくような感じがした。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加