20人が本棚に入れています
本棚に追加
リュウが数を数えている間、少年ケイタは境内の裏でキョロキョロと隠れ場所を探していた。
―床下は前に見付かっちゃったし…ドコにしよう…
そんなに広くない神社は、隠れる場所も自然と限られて来る。
ケイタは隠れる事が少し苦手だ。
何故なら、暗い場所や狭い場所が嫌いだからである。
本当は、こんな薄暗い神社にいる事さえ、ケイタはあまり好きじゃなかった。
リュウ「やぁ~~~っつ!………ここのぉ~~~っつ!………」
御神木から聞こえるリュウの声。
ケイタ「ヤバッ!早く隠れなきゃ!!」
ケイタは慌てて回りを見回す。
すると、
『ここだよ………』
ケイタ「……………え?」
突然境内から聞こえた声に、ケイタはビクッ!と肩を震わせた。
『僕はココだよ…………』
ケイタ「……………」
ゆっくりと、境内へ視線を移す。
境内の扉が半分開いていた。
ケイタ「っ!?」
―さっきまでは開いて無かった筈なのに!?
ケイタは、突然の事に背筋が氷つくような感じがした。
最初のコメントを投稿しよう!