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青年は夢を見ていた
遥か昔の夢・・・世界に疑問も持たずただ楽しかった日々の夢
少年は笑う、その隣で・・・もまた微笑む幸せな時間、いつまでも続くと思っていた平和な日々
しかし突然火の手が上がった、炎は一瞬で視界を覆い視力を奪う、飛び交う悲鳴、泣き叫ぶ少年、何もかも焼き尽す炎の中で、少年はただ・・・が焼かれる姿を『ミテイル』しかなかった、手を伸ばせば届く距離、しかし永劫とも思える時の中で動けなかった。
・・・は手を伸ばし叫んでいる
「・・・・・」
少年は、虚空を見つめたまま動かない
・・・は言葉なく崩れ落ちる
もう叫ばない、動かない
すでに事切れた後、少年は動き走り出す、目の前に横たわる・・・は原形をとどめて無かった。少年は哭いた、ただ鳴き叫んだ、何も出来なかった自分、手を伸ばす事さえしなかった己を呪いながら
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