第一章

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正面から日の光が射す中歩み行く道を囲う様に現れた光の幻影に気が付いた。そこに実在する分けでは無くしかし確に見えるそれは青年の瞳に映った。 「虹・・・」 特に感心を持つ事も無くまた進み始めようと足を上げた時、ふと辺りを見渡すが特に違和感は無く、むしろ無さすぎることが五感に響く、空気の冷える感覚 「結界か?」 肌を微かに刺す感覚に意識を磨ぎ澄ます、序々に五感が覚醒していく、 「結界だな・・・敵は・」 いつの間にか止んだ雨に合わせるかのように数人いや数匹の人成らざる者が姿を現す。 「餓鬼(ざこ)だな」 格段気にした風には見えず静かに見つめたまま様子をうかがう。 悪霊達が序々に間合いを詰めながらセリフを吐いた 「おいっ、金目の物置いてけ」 青年は目を大きく開き次に飽きれた顔をした 「は~、月並のセリフだなっ、三流以下だ」 青年は溜め息こぼしながら軽く睨んだ、間合いを詰めていた悪霊達は少し後づ去る、 「おっ脅しても無駄だぞ、おとなしくしろっ」 負けじと威勢を吐くが言葉に力は無く腰が引けている 「なら、かかって乞いよ」 穏和に見えた姿からは殺気がみなぎる、しかし餓鬼の群れは一瞬躊躇はしたが構わず襲いかかる、握り締めた棍棒は青年の頭上を捉え振り上げられた 「喰らいやがれっ」 罵声と共に振り下ろされた、
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