六章、修羅

54/54
前へ
/535ページ
次へ
多分、自分の仕事だったにも関わらず、面倒臭くなって仕事を投げ出したのだろうと月明は考える     メルトはそういう男だ     あんなのでも元は上司だったのだが、月明にはメルトを敬うというおぞましい事は、死んだって出来ない     紅髪で異様に長い刀、黒勇の翼に仕事を回す男、メルト意外には考えられない       ちなみに、フィナに渡したメモに書いてある連絡先は、メルトのではない     正直な話し、月明はなんだかんだでメルトの事は信頼しているだろう     しかし、素直に信用する事は出来ず、別の者の連絡先を教えたのだ     真面目で正義感が強く、メルトとは同格の地位に人物で信用出来る       まぁ、これで本格的にこの仕事も終りだなと月明は思った     余談だが、壺が割れてしまった事がバレたが、その責任はカルマに押し付けられた     流石に身に覚えのない罪をなすりつけられた事を知ったら、カルマも顔をしかめたかもしれない     「……………しかし」     あの執事の男は、カルマに殺されたのではないかと月明は考えた     証拠が無い為に、直感でしかないが………     それになんのメリットがあったのか、不明だが、そんな気がしてならない     まぁ、どうでもいい事だな       「しかし、あのカルマという男…………いずれ、また会う事になるかもしれませんね」                                 ―――――――――六章、完
/535ページ

最初のコメントを投稿しよう!

318人が本棚に入れています
本棚に追加