七章、とある晴天の日に

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………………わたしはあたりを見まわす     黒いはねが散ってて、いっぱいの人が血をながしてたおれてる     わたしの持ってるけんにも血がたくさんついている     わたしはおもうの、これでじゆーなんだと     ちかくにあったカガミに、わたしの姿がうつった       くるったような、わらいがお とてもとても恐いわらいがお 恐い、怖い、こわい、コワイ………………………                                 「――――――――――――ッッツ!」     夜中、小虎は飛び上がる様に目覚めた     高鳴る心臓の鼓動にあわせて首を振り、近くにいる青狼にしがみついた       「…………いつもの、夢か?」     青狼の声に、小虎はしがみついたまま頭を縦に振り、青狼の毛皮に顔をうずめた     「…………安心しろ小虎、俺もこの場にいる、他の奴らだって、ちゃんといる」     青狼の大きな体が、小さな小虎の体を包みこむ     小虎は安心した様な顔をして、再び深い眠りに落ちていった………………。
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