七章、とある晴天の日に

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「………観光、つってもやる事ねぇな」     刹那は一人呟く     黒勇の翼に入ったのはいいが、どうにも話す相手がいない     まぁ、入って日が浅いから他のメンバーの事がよく解らないせいもあるが     「…………ったく」     入ったのはいいが、今だメルトと再会する事が出来ない     月明や長凰は、メルトに連絡しようとしても音信不通     そのくせあっちからは一方的に連絡があるらしいが、最近はそれも少ないそうだ     唯一連絡手段を持っている(らしい)シティに聞いてみたが、メルトは忙しいのだという     初めて会って、数週間ちょっと一緒にいただけだが、どうにも真面目に仕事するような人には見えない     ましてや、世界の秩序を守るという組織に所属しているという     あの人とは、実に無縁に思えるのだが…………     「ま、仕方ねぇか」     そのうち会えるだろう、それよりもこのままじゃ暇すぎる     あの人に近付く為に、少し鍛練でもしようかと思うが、部屋の中では大して出来る事も無い     「………やれやれ、まぁしばらくは世話になる組織だしな」       刹那は立ち上がり部屋を出た     他の奴らとでも交流を深めてみるか。
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