七章、とある晴天の日に

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部屋を出た刹那は、水鏡と小虎を見付けた     青狼の姿は無い     「………あの狼はどうした?」     「青狼か?………青狼はペット扱いされてしまって、このホテルのペットあずかり所という所にいるらしい」     あの狼、またペット扱いされたのか     「………しかも五郎丸という名前にされている」     苦笑する水鏡を、刹那もまた苦笑しながらそうかと呟く       その隣、小虎が無言で刹那を………正確には刹那の妙にトゲトゲしている髪を見ている小虎の姿がある     刹那の髪に興味をしめしている小虎は、刹那に近寄って背のびして、必死に触ろうとするが、小虎の身長では届かない     「で、これからどっか出かけるのか?」     刹那に聞かれて水鏡は頷く       「小虎が、街に行きたがっているからな」     「なるほどな………」     刹那はさっきから背のびして頭を触ろうと頑張っている小虎を見る     「………こいつ、なにしようとしてんだ?」     「……小虎」     水鏡に言われて、小虎はパッと刹那から離れて、ぽてぽてと水鏡に近寄る     そんな小虎の頭を撫でて、水鏡は微笑む     「せっかくだ、刹那も来ないか?」     水鏡に問われて刹那は考えこむ     一番話せそうなのはこいつくらいだな     そう判断した刹那は、水鏡達と街に行く事にした。
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