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「しかし、奇遇ですね」
月明はニッコリと微笑み、目の前にいる雨流衣(アメルイ)を見つめる
ここは街中の喫茶店、雨流衣はコーヒーを一口飲んだ
「僕もそう思うよ、ところでこの前紹介した仕事、上手く行った?」
ええ、と月明は満足そうに頷く
「実に、上手く行きましたね………もっとも、途中現れた殺し屋にてこずりましたが」
「なんて殺し屋?」
月明の言った殺し屋に興味を持った雨流衣は、コーヒーをまた一口飲んで尋ねる
「そうですね………カルマという少年です」
「カルマ?…………あぁ、野良猫カルマか」
「野良猫?」
再び雨流衣はコーヒーを飲んだ
「うん、まぁ、いっぱいいる殺し屋とかの中じゃあんまり腕が良い方じゃないね」
それを聞いて、月明は驚く
「御言葉ですが、彼は長凰程の強さの者にかなりの傷をおわせました、それだけでなく極竜やアデルセンも退けてますし、演技もかなりの物でしたよ?」
雨流衣は頭をぽりぽりとかいて、コーヒーを飲み干す
「そうだね、確に技量は凄いけど………かなり気まぐれだから」
「…………成程、気まぐれですか」
雨流衣はそうだよと呟く
「なんでも楽しければいいみたいだから、つまらなくなったら勝手に仕事やめるし、最悪、後腐れ無い様に依頼人殺す事あるし、あまりの気まぐれっぷりについたあだ名が………」
「野良猫、ですか?」
苦笑する月明を、雨流衣は笑う
「そ、薄汚い野良猫め!みたいな侮蔑を込められてそう呼ばれる、まぁ嫌われ者だね」
本人はまったく気にしてないけどと、雨流衣は苦笑した。
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