七章、とある晴天の日に

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「さて、と………いろいろお話しありがとうございました」     月明はニッコリと微笑む   雨流衣は、構わないよと呟く     「基本的に曖昧だからさほど意味無いゴミ情報ばっかりだからねイフリートもファントムも、大まかな殺り方だけで、細かい事は解らないし、結構有名だからね」     特に表情を変えない雨流衣を見ながらも、月明は微笑む     「では、私は失礼します、これから仕事でしょう?」     「ああ、いろいろ調べなきゃいけないからね、適当に良さそうな仕事があったら紹介するよ」     そこまで言って、雨流衣はそういえばと呟く     「いろいろと仕事を紹介してくれる奴もいるらしいね、紹介屋っていうのかな?」     「儲かるんですか」     「それは知らないけど、嫌われ者の野良猫カルマにも唯一仕事紹介してくれるんだってさ、七つの声を持つ者って意味と、本当の姿を誰も知らない事から虹陰って呼ばれてる」     「ほう?」     「青年の声から老人、子供、女性の声まであるらしいよ、噂だけどね………もうちょっと知名度が上がれば、連絡が来るかもよ?」     それはなかなか、便利そうだと思い、月明は雨流衣に礼を言ってその場を立ち去った     少しホテルに向かって歩く途中に、月明は一人でてぽてぽと歩く小虎を見付け、溜め息を漏らした。
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