真実の歴史

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  ー聖地マルヴァジーノー <大天使総官長 書斎> 「問題は他の『マスター妖精』達がどこにいるかです。 天上界だけならまだしも、 この広い世界から捜し出すのは困難ですよ?サタンの手が伸びるより先に、7人のマスター妖精全員を捜し出さなくては。」 薄緑色の髪をした青年が、心配そうにもう1人の男を見つめた。    背の高く、長い黒髪が印象的な男だ。 ゆったりとした椅子に腰掛け、 面倒くさそうに書類に目を通している。 フッと小さな溜息をつくと、男は顔を上げてにっこりと微笑んで言った。 「解っている。 それは私も十分承知だよ、サン。 だが何としてでも彼らを捜し出さなくてはならない。 天上界は・・・、いや、この世界はもう、マスター妖精の力に頼るほか術(すべ)はないのだから。 それは君も解っているだろう?」 「はい、もちろんです。」 ピシッと背筋を伸ばして返事をするサンをみて、男はうんうんと頷いた。 「宜しい。けど心配することはない。 どんな手段を使っても、私が必ず捜し出すよ。 それが例え、大天使総官長の任を降ろされちゃうような事になったとしても必ずや・・・」 「ちょ、ちょっとお待ち下さい! 何を仰っているのですか!?」 「え?別にどうってことないでしょ? この聖地だけでも、私の変わりなんて掃いて捨てる程いーっぱい居るし。 ダイジョブ×2☆」 動揺を隠せないサンをよそに男は手をひらひらさせた。 「掃いて捨てる程だなんて・・・・・! 貴方様がお掛けになっているその席は、そんな簡単に務まるようなものではなくてですね」 「でも現に私みたいなのが座っちゃってるんだよ? 別に今更誰が座ろうが」 「総官長様!! それ以上続けるおつもりでしたら、僕も本気で怒りますよ!?」 鼻息を荒げ、耳まで真っ赤になっているサンを見て、男は「ぷっ」と吹き出した。 「はは、もう怒ってるじゃないか。 ごめんよ、ほんの冗談だよ。」 「・・・・・・時折、貴方様の本気と冗談の境目が解らなくなります。 心臓に悪いなぁ。」
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