第一章(溺愛)

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*其の四* 「キャバ嬢の物語」 気持ちいい あたしは女   本当はもうどうだっていいのよ   煙草に火をつけて 好きだよと 其れだけ   愛だの 何だのって そんなのは 嘘に決まってる   水が欲しい 酒と言う名の水が   貴方が欲しいものは何? 何を求めて此処へやってくるの?   甘い蜜が欲しいんだね   此処はまやかしだよ   幻想の中で生きたいんだ そうだ みんな、嘘が大好きだ   嘘でできてるんだろう? あたしは知っている   溺れるのさ         *其の五* 「売春婦の物語」   何処がいいの? 此処がいいのかい?   嗚呼、もつと奥まで 全てが無くなる様に   お金を下さい もつともつと…   私を満たして下さい   嗚呼、もつと貴方が欲しい   嘘でも良い 愛が欲しい欲しい   此の瞬間の美しさ   肉が動く 肉、ニク、にく…   眼に焼き付いた   此処は何処ですか? 空ヲ飛んでゐる様です   嗚呼、堕ちてゐく 真っ逆さま、真っ逆さま   今日とゐう日は 何ですか   空が紅色に染まってゐきます 見えない 見えない   もっと私ヲ愛して       此処は何処ですか?     
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